大人の友情は難しい

「男女の友情は成立するか?」というテーマに挑んだドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ系)では、男女の友情が片方の結婚により終わりを告げる、婚約相手が男友達と言っていた人と浮気する、など男女の友情にまつわる難しい問題を実にリアルに描いている。その中で、こんなセリフがある。

「友達からでいいよ、なんで格下みたいな言い方されんだろう」

「恋人の方が上で友達が下みたい」

これには深く同意する。恋愛や結婚が特別な関係で、最優先。友達との先約があっても、デートの約束が優先される。恋人ができたり結婚すると友達に連絡しなくなる……なんてことはよくあることだ。これもまた、大人の友情の難しさでもある。

最近、阿佐ヶ谷姉妹のような関係に憧れる女性の意見をSNSでよく目にするようになった。同性同士で仲良くアパートの隣同士に住み、恋愛のような派手さや、嫉妬や駆け引きはない、ほっこりとした、生活を豊かにしてくれる仲睦まじい関係。

私もそんな関係性に憧れるひとりだが、そういった関係を築くのは、結婚相手を見つけるくらい難しい、という意見も目にする。実際そうだと思う。冒頭で触れたように、気を遣わず、一緒にいたいと思える関係は、恋愛だろうと友情だろうと、そう簡単に築けるものではないのだ。