地面に転がりたくなる辛さ

私が運行管理者になる前、1年間事務担当をしていたが、その1年間の間に次々と先輩が休職していった。私が配属になった当初は定数の7名体制だったが、すぐに1名が心身の不調により休職。

6名体制となるが、数ヶ月後に異動により7名体制に戻る。そのタイミングを計ったように、もう1名が心身の不調により休職。最初に休職していた人が復帰して7名体制に戻るが、また1名が休職……といった具合だ。

『逆境路線バス職員日誌 車庫の端から日本をのぞくと』(著:綿貫渉/二見書房)

ギリギリのところで頑張っているものの、6名体制のときに休職してしまうと勤務が回らなくなってしまい、周囲に迷惑がかかり休めない。

7名体制になったところで緊張の糸が切れて、職場に行こうと思っても家から動けなくなってしまう。気持ちはよくわかる。

私が運行管理の仕事を始めた初日のこと。

最終バスの運転士が帰ったあと、あまりにも仕事が大変すぎて、バスが100台停まっているだけで誰もいない車庫の地面に転がって叫んだことを覚えている。今考えると正気の沙汰ではない。

また、私が運行管理の仕事をやるよう任命されたのも、7名体制で回っていた運行管理者が1人休職して6名になったタイミングだった。休職者がいなければ、もう少し運行管理の仕事を始めるタイミングは遅かったかもしれない。

今は改善されていると聞くが、当時はそんな状況だった。