綿貫さん「苦情の電話も毎日のように…」(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
バスの運転士不足が叫ばれる中、路線バスを減便する動きが全国各地でみられています。日本バス協会によれば、12万1000人の運転手が必要なのに対し、現状11万1000人とすでに1万人不足しており、その不足は今後さらに拡大していくそうです。一方、バスの運行管理者の経験を活かし、交通系YouTuberとして活動しているのが綿貫渉さんです。その綿貫さん、「バスの運行管理者の仕事はあまりにも大変すぎて、車庫の地面に転がって叫んだこともあった」そうで――。

先輩が次々と休職。次は自分の番

バスの運行管理者は大型二種免許を持っていないのにベテランの運転士に指導しなくてはいけない。

苦情の電話も毎日のようにかかってくる。

明日の運転士の勤務もギリギリまで決まらないことがある。

残業は長時間。

こんな環境でやっていけるのだろうか。答えはもちろんノーだ。

私の営業所では運行管理者の定員は7名ということになっていた。7名いると、1週間に泊まり勤務を2回、日勤を1回、休みを2日とすることで、綺麗に1週間サイクルで勤務が回る。

<『逆境路線バス職員日誌 車庫の端から日本をのぞくと』より>

これが1名休職して6名体制になると、2週間に泊まり勤務を5回こなすことにより、何とか週休2日で勤務が回る。

さらに減って5名になってしまうと、もはや勤務は回らないため、運行管理者の休日出勤や、一時的に本社からの応援を依頼してしのぐという形になる。

5名まで減ってしまうようであれば、臨時の人事異動ですぐに6名体制になるが、6名だと当面はそのまま6名体制だ。