オーラルフレイル対策の重要性

健康寿命とは、介護の必要なく生きられる寿命のこと。日本人の平均寿命は、男性81.47歳、女性87.57歳(21年)。これに対して、健康寿命は男性72.68年、女性75.38年(19年)となっています。

男性は約8年、女性は約12年、介護されながら生きなければならないということになります。

オーラルフレイルという言葉(概念)の提唱者である飯島勝矢先生(東京大学高齢社会総合研究機構教授)たちの研究によると、オーラルフレイルの人は、口腔機能が良好な人に比べて、要介護認定になる率が2.4倍になるという結果が出ています。

また同じ研究では、オーラルフレイルを放置せず、きちんと対策すれば改善することも示されています。

『70歳の壁を越える 食べる力』(著:栗原毅・栗原丈徳/エクスナレッジ)

つまり、今からオーラルフレイル対策を始めれば、要介護になることを避けられ、寿命も延ばせるということです。オーラルフレイルの対策がどれだけ重要なのか、おわかりいただけたでしょうか。

飯島先生たちの研究の対象となったのは、平均年齢が73歳で、オーラルフレイルの比率は2割弱でした。

そして早い人では50代から、60代では4人に1人が、前段階である「プレ・オーラルフレイル」に該当するとみています。