「仙骨周辺は筋肉や脂肪がつきにくくなっています。骨は熱が伝わりやすいので、仙骨を温めると、ダイレクトかつ効率的に副交感神経に熱刺激を加えることができるのです」

また、腹部から大きな血管の枝が仙骨の横を通っており、仙骨を温めると血管も血液も温められて血流がアップ。冷えなどの解消はもとより、血流とともに栄養や酸素も全身に行き渡って細胞が元気になる効果も。

「さらに、仙骨を中心とする骨盤は、膀胱や子宮・卵巣などの臓器を内包しています。仙骨を温めることでこれらの臓器の機能が高まり、尿もれや頻尿など泌尿器系、生理痛や更年期障害など婦人科系のトラブルの緩和にもつながるのです」

仙骨を温める方法は、シャワーでお湯を30秒当てるという簡単なもの。

「自律神経を整えたり、血行を促進したりする健康法はほかにもありますが、時間や費用がかかると、効果が出るまで続けることが難しくなります。そこで思いついたのが、仙骨へのシャワー。入浴ついでにできるので、誰でも手軽に継続しやすいのがポイントです」

症状が重い場合は温熱シートをプラスするなど、不調の度合いに応じた温め方を工夫すると効果的。

「仙骨を温める生活を続けていくと、普段から副交感神経が働きやすくなるので、不調を招きにくい体質への改善にもつながります」