朝に吸収率がアップする栄養分

朝に摂取すると吸収率がアップする栄養成分もある。まずは美白に効果的な抗酸化物質のリコピン。

「リコピンはトマトやスイカに多く含まれますが、朝食に摂ると吸収率が高まるというデータがあります」(望月氏)

トマトジュースを継続的に(8週間以上)飲むと目の近くのしわが減ったという報告もあるから、しわが気になる人は朝にトマトを食べたり無塩のトマトジュースを料理に取り入れてもいいだろう。

摂取後の血中リコピン濃度の変化<『老けない最強食』より>

食物繊維も、朝が最強。柴田特任教授らが発表した研究報告では、朝に食物繊維が豊富な野菜を摂取した人は、昼と夜の血糖値が上がりにくい上に便通が改善している。

「何となく夜に食物繊維を摂ったほうが翌朝の便通に良さそうでしょう。でも違うんです。朝がいい。24時間後の次の日の朝に効くということです。ごま油でゴボウを炒めるきんぴら料理がいいと思います」(柴田特任教授)

日中にパソコン作業が多い人なら朝食でブルーベリーを摂ろう。ブルーベリーに含まれるアントシアニンは目の瞳孔や水晶体の働きを調整するなど、目の機能改善が期待される。

「アントシアニンは種類や個人によっても変わりますが、摂取1~3時間後に血中濃度がピークに達します」(望月氏)というから、やはり朝食のタイミングが好都合だ。

柑橘類に豊富なビタミンCは、老化防止に役立つが、これは朝食後に。

「ビタミンCは排出スピードが比較的速いのですが、食後は胃や腸に別の食べ物が入っているので排出が遅くなり、体に使われやすくなります」(同)

果物は果糖を含むため、夜に摂ると中性脂肪に変わりやすくなる。柑橘を含めた果物は朝がベストだ。

 

※本稿は、『老けない最強食』(文藝春秋)の一部を再編集したものです。

 


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老けない最強食』(著:笹井恵里子/文藝春秋)

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