障害者へのイメージを変えていきたい
テニスを始めた頃の目標は、世界一になることと、病気を持った子どもたちのヒーローになることでした。世界一は叶えたけれど、ヒーローはまだまだですね。
僕自身、車いすや杖の生活になった頃、街でジロジロと人に見られることが苦痛でした。「障害をマイナスにとらえられたまま、人生を終わらせたくない。何かで成功して、有名になって一発逆転してやる」と思ったのです。
今では、《車いすテニスの小田凱人》としてたくさんの方に知ってもらえていることが嬉しい。それに、10代後半で発症することの多い骨肉腫に9歳でなったことは運がよかったとすら思っています。そのおかげで、車いすテニス人生のスタートを早く切ることができ、こうして最年少で活躍できているわけですから。
これからも車いすや杖でどんどん外へ出ていき、車いすテニスを通じて、障害者へのイメージを変えていきたい。それが、僕の一番の使命だと思っています。
凱人という名前の「凱」には、《闘いに勝って帰る》という意味があるんです。だから、今年のパラリンピックが凱旋門のあるパリで開催されることに、なにか運命のようなものを感じています。名前の通り、パリで金メダルを獲って凱旋するので、皆さん待っていてください。
小田凱人さんの記事が掲載されている『婦人公論』2月号は好評発売中!