終わったときのあたしの足は、ものすごくほっそりして見えた。外反母趾があるのだが、それでいつも靴選びには苦労しているのだが、そんなのどっか行っちゃいましたという風情だった。無色のベースコートとトップ

コートというのを塗ってもらった爪は、つやつやしてぴかぴかしていた。

それからあたしは靴下をはき、靴をはき、車に乗って家に帰ってあれやこれや、足の事は忘れていた。それから犬を連れて、山に歩きに行った。すると靴下の中で足がつるつるするのを感じた。つるつるというか、するするというか。シルキーな膜がかかってるような感じだった。

家族のLINEに絶え間なく送られてくる孫のしーちゃん(8か月)の写真や動画、その、おなかやほっぺやおしり。さわってみたいなあ、どんな感じだろうといつも思っているのだが、もしさわったら、今、あたしが自分の足に感じてるような感じなんじゃないか。

ニコは老い果てている

人気連載エッセイの書籍化『ショローの女』発売中!

米国人の夫の看取り、20余年住んだカリフォルニアから熊本に拠点を移したあたしの新たな生活が始まった。

週1回上京し大学で教える日々は多忙を極め、愛用するのはコンビニとサイゼリヤ。自宅には愛犬と植物の鉢植え多数。そこへ猫二匹までもが加わって……。襲い来るのは台風にコロナ。老いゆく体は悲鳴をあげる。一人の暮らしの自由と寂寥、60代もいよいよ半ばの体感を、小気味よく直截に書き記す、これぞ女たちのための〈言葉の道しるべ〉。