風間さんの幅広いレパートリーの中の、落語との出会いは? 2009年明治座の『三平物語』は、風間さん演じる先代林家三平の母親役で出た池内淳子さんに誘われて観たが、とっても面白かった。

――ああ、もじゃもじゃ頭の鬘(かつら)かぶって、「どうもすいません!!」って。口の悪い僕の友達でも「風間すごいよ、三平が降りてきてたよ」って言ってくれた。

まぁ落語は子供の頃から好きだったけど、『すててこてこてこ』という吉永仁郎さんの芝居で、(三遊亭)圓朝と圓遊を……名古屋章さんが圓朝役で、僕はその弟子の圓遊役をやったんです。

その時に「野ざらし」という噺を林家正雀師匠に習って火がついて。鶴瓶師匠に褒められたり、談春師匠の会に出たりして、独演会も毎年20回以上やってます。出囃子は「蒲田行進曲」ですよ(笑)。それと一人芝居『カラオケマン』。14年前には五部作を一挙にやって5時間15分。一人で歌って演じて。

それから花園神社のテントで唐さんのアングラ『ベンガルの虎』や『泥人魚』。去年は『少女都市からの呼び声』にも出ているし、そうかと思えば新橋演舞場の『女の一生』や『ふるあめりかに袖はぬらさじ』に出て、ミュージカルにも出てるの、知ってました? 

18年、日生劇場で『リトル・ナイト・ミュージック』。それでもう二度とやらないと思ったら、また声が掛かって、昨年は『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』という心温まる作品にも。エジプト人役だったので、アラビア語で一曲だけ歌いました。

今は舞台『大誘拐』で全国を回っています。中山優馬くん、柴田理恵さん、白石加代子さんと僕の四人芝居なんだけど、それぞれが複数の役を演じるんです。僕も四役を演じますよ。この四人の顔合わせだけでも、面白そうでしょう?(笑)

 

恐るべきレパートリーの広さ。出てないのは歌舞伎と宝塚? でも今後、歌舞伎俳優との共演でアングラ芝居もありえそう。さすがに宝塚は――と言いかけると、そこはやはり風間さん。

――いや、オファーをいただけるなら、何だってやりますよ。(笑)