大石静さんが脚本を手掛け、『源氏物語』の作者・紫式部(演:吉高由里子さん)の生涯を描くNHK大河ドラマ『光る君へ』(総合、日曜午後8時ほか)。第九話は「遠くの国」。東三条殿に入った盗賊の正体は直秀ら散楽一座だった。直秀らは道長(柄本佑さん)の命で検非違使に引き渡されるが――といった話が展開しました。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。今回は「正直な感想」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!
「本郷さんは武士が好きだよね」
『光る君へ』は平安貴族を中心としたドラマです。なので、いわゆる武士という存在はでてきません。
一方、ぼくに対して「本郷さんは武士が好きだよね」という方がたまにいらっしゃる。
実際、それはそう。ただ、それに対して「武士が好きではいけませんか」という反応をしては、品もなにもありません。
今回、そのあたりの背景を説明したいと思います。