「何より嬉しいのは、ドラマをきっかけにOSKという劇団に興味を持ってくださる方が、まさに《急増》という勢いで増えていること」(撮影:岸隆子)
最終回を迎えた朝ドラ『ブギウギ』。引退宣言をしたスズ子のさよならコンサートに、古巣の梅丸歌劇団(USK)からも多くの仲間が駆けつけ、客席で声援を送りました。今回は、主人公のモデル・笠置シヅ子さんが所属していたOSK日本歌劇団の現役男役スターで、橘アオイとして『ブギウギ』に出演していた翼和希さんのインタビュー記事(『婦人公論』2024年1月号)を再配信します。

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102年の歴史を持つOSK日本歌劇団(以下、OSK)。NHK連続テレビ小説『ブギウギ』の主人公のモデル・笠置シヅ子さんが所属していたことで、注目が集まっています。ドラマの中で主人公の歌劇団時代を描いた場面では、OSKの現役男役スター翼和希さんが出演。そのスマートな佇まいに人気沸騰中です。(構成=山田真理 撮影=岸隆子)

男役になりたいと夢見るように

読者の皆様、初めまして!OSKの翼和希と申します。『ブギウギ』で主人公の歌劇団の先輩・橘アオイ役として出演した際には、「目力がすごい」などと話題にしていただいて(笑)、本当にありがたいことだと思っています。

何より嬉しいのは、ドラマをきっかけにOSKという劇団に興味を持ってくださる方が、まさに「急増」という勢いで増えていること。2023年11月の京都・南座でのレビューをはじめ、各地の公演ではたくさんのお客様にいらしていただいていますし、私が主演を務めるミュージカル『へぼ侍~西南戦争物語~』もなんと大阪公演は早々に完売。これって、10年在籍している私にもなかなか経験がない事態でございまして。(笑)

2月には同作品の東京公演があるのですが、東京で主演を務めるのは初めて。同月には浅草で歌をメインにしたコンサートも控え、皆様にお目にかかれる機会をワクワクドキドキして待っているところです。

生まれは、大阪の枚方(ひらかた)市です。今の私からは想像できないことに、子どもの頃は人前で何かするのは、恥ずかしくてようやらんタイプ。学芸会に出るのも嫌でしたし、体育の授業でダンスがあっても、友だちに見られるのは照れくさかったですね。

中学ではバレーボール部に入りました。もともと体を動かすのは好きだったので練習も楽しく、1回だけ北河内の選抜チームに選ばれて合同練習に行かせてもらったこともあります。