(写真提供:Photo AC)

大石静さんが脚本を手掛け、『源氏物語』の作者・紫式部(演:吉高由里子さん)の生涯を描くNHK大河ドラマ『光る君へ』(総合、日曜午後8時ほか)。第25話は「決意」。越前の紙の美しさに心躍らせるまひろ。その頃、まひろのもとには宣孝(佐々木蔵之介さん)から恋文がマメに届いていて――といった話が展開しました。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。今回は「あけぼの」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

『枕草子』を利用することを思いついた伊周

今回のお話で、伊周が都に戻ってきました。

かつて、叔父・道長と権力争いを続けていた伊周ですが、弟・隆家が元天皇・花山院に向けて矢を放つ<長徳の変>を起こしたために、その責任を取って大宰府へ左遷されていました。

戻ってきた伊周は、かつての栄光を取り戻すべく『枕草子』を利用し、定子のいる職御曹司を華やいだ場所にすることを思いつきます。

定子のもとにおもしろい女房がいる評判をたてて、宮中の人々の興味をひこうとしたわけですが、果たして思惑通りにいくのでしょうか?

ということで今回は、『枕草子』に出てくる「あけぼの」について考えてみたいと思います。