研究者が切り捨てること

歴史を学ぶときには確実な史料を読む。で、確実な史料とは、古文書と古記録(日記)である。

本郷和人先生が監修を務める大人気の平安クライム・サスペンス!『応天の門』(作:灰原薬/新潮社)

この連載でも、僕は何回かそう言ってきました。

それで、さあ古記録を読むときにどうするかというと、僕ら普通の研究者は、まず宗教的なこと、生活習慣的なことはザッと捨てる。

それから政治的なこと、経済的なこと、社会のニュース的なことに飛びついて分析を始める。

だから入学試験に出ないような「呪術」とか「占い」とかの扱いは中々むずかしい。