二つの選択
一つは、自分の家に戻り、ヘルパーさんの手を借りながら自由気ままに生きていく案。
その代わり、これまでのように何か困ったことがあっても手助けは一切しない。つまり今後一切の関わりを断つというもの。
もう一つは、これからも家族関係を続けるために老人ホームに入所してもらい、週末はわが家で過ごすという案。
母にすれば、老後の面倒を見てもらえるはずだったのに、冷たい仕打ちをされたと思ったことでしょう。
結局、母は“老人ホームに入所する”を選択したわけですが、この決断以降、これまでのように「あんたのせいで……」というような責任転嫁はしなくなりました。
しかも、自ら施設を“終(つい)の住み家”と決めたことがよかったのか、最終的には施設の方々に感謝できるまでになりました。