女優業のかたわら、レストラン経営や盲導犬協会理事など、幅広い活動を続けているとよた真帆さん。芸能活動40年目を迎えた今年、歌手デビューも果たしました。とよたさん曰く「興味のあることにはなんでも突き進んでいく」その理由とは──。(前後編の後編/構成◎藤澤志穂子 撮影◎本社 奥西義和)
夫が抱えていた最大の悩み
芸能生活40年目の今年果たした歌手デビュー。
発表したアルバム『WILD FLOWER』は、2年半前に旅立った夫・青山真治が遺したシナリオ『東京酒場』が実現したときに使える歌、というコンセプトで作りました。とある音楽バーで繰り広げられる人生劇で、少し面白くてハードボイルドな内容です。
映画業界も、いろんな配信サービスが出てきてから、製作費が集められず、作品を撮ることが難しくなってきていました。生前の夫にとっての最大の悩みはそこにありました。
京都の大学で映画学を教える機会を頂いて、張り切って取り組んではいたのですが、やっぱり本業は映画監督。アイデアは沢山あるのに撮れない。だから自暴自棄になり、お酒に走ってしまう、ということはありました。
心配で何度も注意したんですけど、きいてくれなくて……。
『作りおき酢タマネギ&酢大豆おいしいレシピ』(主婦の友社、2015)という本を前に出しているのですが、これももともと青山のために考えた健康レシピをまとめた本でした。