自分の芯を確立することが大切

「面倒はみられないけど、すべて自分でやるなら、それでいい」と、父も認めてくれました。宣言することが自分と周囲を変えたのです。

でも、宣言だけでは不十分。それが「希望」につながるものでなければいけません。「医学部に落ちたから寿司屋」と言うと、「負い目」ととらえられるでしょう。

『ちょうどいいわがまま』(著:鎌田實/かんき出版)

でも僕は卑下していたわけではありません。「寿司職人になっても人に負けない生き方ができる」という希望を持っていました。

小さな店を持ったら、お客さんに幸せを感じてもらえるような店をつくる。感動してもらえるような寿司を握れるようになりたい。強い思いと努力があれば、なんとかなるのではないかと思ったのです。

寿司屋になっていたら、いまよりももっとおもしろい生活をしていたと思います。「かま寿司」なんていって、世界展開をしていたかもしれません。

何でもおもしろがることが大事です。その中心に自分の芯を確立することが大切なのです。うまく「宣言」を利用してください。

価値観を変える「とんがりレッスン」
*わが・ままが大切。「わが」がなければ、始まらない。あとは、風にうまく乗ったり、道なりに走り抜けたり、人生の流れのままに進めばいい。
*失敗を恐れず、夢を語ることが大切。ちょうどいいわがままは人間の魅力のひとつ。