「宣言」が新たな希望をもたらしてくれる
よく「カマタはいいよな。医者になったから、だから自由なんだ」と言われますが、医者はそれほど自由ではありません。開業医は設備投資が必要なのでお金に縛られることが多く、勤務医の場合も、出身大学の教授にコントロールされていることが多い。
それに比べれば、確かに僕は自由です。でもそれは「宣言効果」で不退転の決意を自分に課し、いつも自分を奮い立たせてきたからです。
いまでも、誰に言うでもなく、自分に向かって宣言しています。それがまた新たな希望をもたらしてくれます。
「カマタくん、君は自由に生きているか」……自分の質問に自分が答えます。
「私はもっと自由になるんだ。私は海だ。私は風だ」。海になったり風になったり、どこにでも行ける自分を宣言したり、大きな自分を意識したり、ときには自由になると強い思いを語ったり、「カマタくん、自由にこだわり続けているか」と言い聞かせています。
「僕は風だ。僕は風のようにどこにでも流れていく」とカマタを鼓舞します。
「私は海だ」と言いながら、「もっと大きくなれ、たくさんの人が行ったり来たりすることのできる、大きな海になれ」と自分に言ったりします。
仮に医学部に進まなかったら、もっとおもしろい世界にいたかもしれません。自分の芯の確立。それが、どんな状況でも幸せを勝ち取る生き方につながります。
*本望は何かと自分に問いただす。その本望を実現するために絶えず自分の姿勢を点検しておくこと。自分で自分のアドバイザーになれ。
※本稿は、『ちょうどいいわがまま』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
『ちょうどいいわがまま』(著:鎌田實/かんき出版)
「ちょうどいいわがまま」という生き方が、いまの時代の日本人に必要です。
こんな閉塞した時代にこそ「わがまま」が大事になるのです。
「もっととんがれ!」のすすめです。
「とんがれる人は、もっと、とんがっていい」と僕は思っています。
腹を据えて、チャレンジする姿勢しか、この国を元気にする方策はありません。
適度なわがままの幅を広げながら、一度きりの人生、欲望を解放させてみませんか。