1972年、劇団暫の公演『郵便屋さんちょっと』に出演した19歳の平田さん(中央)(写真提供:平田さん)

鎧がちょっと取れて

その芝居は『郵便屋さんちょっと』という作品で、その後つかさんが小説化しているが、上演はこの時だけだったとか。

――多分、つかさんの学生時代の作品で、ちょっと可愛い話なんです。つかさんに言われて、長髪は切らされてオカッパ頭にさせられた。亡くなった三浦洋一とダブルで郵便局長やったり、局員になったりしてましたね。

この時、ハナ子という郵便局員の役をやってたのが、後に結婚することになる井上加奈子だったんです。でもそれからしばらくは一人で生きていくのが精一杯でした。

結婚したのは27になってからですが、思えば第1の転機はつかさんと出会ったことで、いっぺんにやって来ましたね。