一番の楽しみは“家族との時間”
そんな伊藤さんは葉山の家での生活が落ち着くと、とある“大仕事”を成し遂げました。
幼少期のアルバムを頼りに、実の父母を探し出したのです。
「母はオーストラリアに住んでいて、再婚相手との間に2人の娘をもうけていました。現在、日本に暮らす2人の異父妹とは交流し、施設にいる母の様子を見に行っています。父はすでに亡くなっていましたが、インドネシアを訪れ、従兄たちの歓迎を受けました」。実父にたどり着くまでは約20年を要したそうですが、従兄たちとの出会いは人生最高の出来事だったそうです。
「養母からこの土地を継いだとき、私は孤独でした。でも、今では家族や親戚が増え、当時の私からは想像つかない状況です。この家の近くに、息子家族も引っ越してきたので、ますますにぎやかになって。誰かの誕生日からお正月まで、事あるごとに子どもや孫たちと集まって食事を囲んでいます。今、私の一番の楽しみは“家族との時間”、まさに元気の源です」
※本稿は、『70歳をすぎたら、もっと 自分らしく食べて豊かに暮らす』(ナツメ社)の一部を再編集したものです。
『70歳をすぎたら、もっと 自分らしく食べて豊かに暮らす』(ナツメ社)
記事でご紹介した伊藤千桃さんをはじめ、シェフ、カフェ店主、美容家、セラピストなど、70代、80代となっても元気に過ごす素敵な12人に取材。仕事や変化への向き合い方、友だちやご近所づきあい、食や健康に対する思いなど、一人ひとりの人生に即した、生きたヒントをたくさん教えていただきました。
また、12人の方が紹介するレシピも掲載。伊藤さんには丸鶏の塩釜/ふきのとうみそ/しょうがみそのディップを紹介してもらいました。他にも、郷土料理を作りやすくアレンジしたレシピ、旅先の思い出が詰まったレシピ、地元の名産品を生かしたレシピ、忙しい毎日を助ける簡単で栄養たっぷりなレシピなど、その人らしさがたっぷり詰まったレシピが満載です。
輝くシニアの秘訣が知りたい方、必見の1冊です。