「自律神経は50歳を過ぎると、野生動物であれば自然界で生きられないレベルまで下がる」――。そう語るのは、自律神経の名医・順天堂大学医学部の小林弘幸教授です。避けて通れない<老い>の真っただ中で、自律神経を整えて楽しく過ごしていくためには、どのような習慣を身に付けたら良いのでしょうか?今回は、小林教授の著書『老いが逃げていく10の習慣 自律神経さえ整えばすべてうまくいく』から、すぐに実践できる<老いない習慣>を一部ご紹介します。
音楽を聴くだけで体調が整う
私の場合、音楽を聴くことは毎日の暮らしの中で絶対に必要なことです。若いころから今に至るまで、ずっと聴いています。これからじっくり取り組みたいことの一つに作曲もあります。どんなものを作曲したいかといえば、聞くと心が落ち着くような、自律神経を整える音楽です。
音楽は自律神経のバロメーターでもあります。どんなによい曲でも、聴いていて入り込めるときもあれば、雑音にしか聞こえないときもあります。自分の好きな曲を聴いて、不快に感じるかどうかで、自分のストレス具合や疲労度をチェックできます。
極端な話、ストレスがたまってイライラしているときは「こんなときに音楽なんか聴いている場合じゃない!」となります。音楽を聴いていて、「まだ聴いていたい」「あの曲も聴きたい」と、「もっと」と思えるときは自律神経の状態がよいときです。
逆に、特に聴きたい曲が思い浮かばないときは、自律神経の状態があまりよくないときです。そんなときでも、聴いた曲によって感情がコントロールされて、前向きになれることもありますし、音楽が自律神経にもたらす影響は無限大です。