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現代の生きる糧として注目されている「推し活」。もともとは若者を中心に使われる言葉でしたが、昨今は「幸福寿命」の観点から高齢者に推奨する動きが活発になっています。そんな「シニア推し活」について、高齢者医療の第一人者・和田秀樹が解説した著書『60代から100歳以上まで 人生が楽しくなる「シニア推し活」のすすめ』より、一部を抜粋してご紹介します。

幸福寿命を延ばすためには、推し活の他にも知っておきたいルールが5つあります。まずは、健康寿命と幸福寿命の考え方についてです。

【幸福寿命を延ばす5つのルール】
1)健康寿命も幸福寿命も思った者勝ち

健康寿命はアンケート調査による主観です。同じように、幸福寿命も、自分が幸福だと思うかどうかが鍵となり、客観的な指標は存在しません。つまり、「私は幸せだ」と思った人が勝ちだということになります。

私は患者さんにいつも、「自分でコントロールできる範囲なら、したいことは我慢せずにどんどんやってオーケーです」とお伝えしています。

例えば、お酒や喫煙はもちろん、ギャンブルだって、キャバクラだって、マッチングアプリだって、自分できちんとコントロールしている限りは好きにやったらいいと思います。

推し活もその一つです。好きな誰かの追っかけをしたり、好きなアーティストのグッズを買い集めたり、推しにちなんだ場所を旅する聖地巡礼なども、どんどん楽しむといいでしょう。

「いい歳をして推し活なんて……」とか「年甲斐もなく」「推しにそんなにお金を使うなんて無駄」などとまわりから言われるかもしれません。

しかし、そんな言葉に耳を傾ける必要はありません。本当に問題なのは、高齢者自身がそのような言葉を「そうだよな」「やっぱりやめておこう」などと受け入れ、自分のやりたいことを諦めてしまうことです。これでは、自分から幸せになる権利を手放してしまっているのと同じです。

やりたいことをするのに年齢は関係ありません。他人に遠慮するよりも、自分が本当に幸せだと思えることに積極的に取り組んでみてください。