【幸福寿命を延ばす5つのルール】
5)充実感のある生活をする
幸せな時間を増やすためには、張り合いのある生活、充実感のある生活が欠かせません。そういう視点で考えると、推し活は幸福寿命を延ばす最高の方法の一つといえます。
人は、生きがいを持っているときにはイキイキとして活動的になります。例えば、子どもを持つ人の場合、子どもの受験や部活動などの応援をしているときは、「大変だ」「忙しい」と言いつつも、その成長を喜び、充実した日々を送っていることが多いものです。
働いている人であれば、仕事が上手くいっていて、順調に出世をしていたり、周囲から認められて高い評価を得られたりしているときには、仕事が生きがいになることが多いものでしょう。
これに対して、子育てが上手くいかなかったり、仕事上の成果が得られない状況だったりすると、生きがいをなくし、がっくりと気落ちした状態になってしまう人も少なくありません。さらに、60代に入ると、子どもは手を離れ、仕事も定年を迎えるなど、それまで生きがいだと思っていたことを失いがちです。
しかし、そんなときこそ、新たな生きがいを見つけて、乗り換えるチャンスです。このような状況下で再び活力ある生活を手に入れるには、何か夢中になれるもの、「コレが生きがい」と思えるものが必要です。
誰かのファンになること、つまり推し活を始めることができたなら、生きがいを上手に乗り換えることができるのではないでしょうか。
再び充実した毎日を送るためには、新しい生きがいを見つけることが重要です。そうでないと、ただ起きて、食事をして、眠ってという変化のない生活に陥り、急に老け込んでしまうことも。
高齢者施設の利用者が地元サッカークラブを応援する「Be supporters !(ビー サポーターズ!)」という活動でも、介護施設に入居する高齢者が推し活をすることで人との繋がりが生まれ、充実した毎日を手に入れています。
これまでの生きがいから新たに乗り換えるという意識で、推しを探してみてください。それは、あなたの人生に新たな喜びと生きる力をもたらすきっかけになるでしょう。
※本稿は、『60代から100歳以上まで 人生が楽しくなる「シニア推し活」のすすめ』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
『60代から100歳以上まで 人生が楽しくなる「シニア推し活」のすすめ』(著:和田秀樹/KADOKAWA)
《和田秀樹が徹底解説!人生100年時代に必携の「シニア推し活」のすすめ》
現代の生きる糧として注目されている「推し活」。もともとは若者を中心に使われる言葉でしたが、昨今は「幸福寿命」の観点から高齢者に推奨する動きが活発になっています。本書は、そんな「推し活」をテーマに、高齢の方が生き生きと過ごせる習慣を具体的な事例とともにまとめた一冊です。