大島由香里、竹内 薫

テレビ、ラジオ、ユーチューブと、「伝える現場」で活躍中のフリーアナウンサー・大島由香里さん。昭和ブームや身近なエコ、そして今後のエネルギーのあり方について語り合いました

番組MCとして全力投球、ユーチューブでは自然体で

竹内大島さんは、局アナ時代は報道がメインだったそうですね。

大島はい。最初はニュース番組のフィールドキャスターとして、事件や事故などの現場に足を運び、リポートしたりインタビューしたりと、毎日走り回っていました。想像していたより大変でしたが、そういった現場での経験が、後にスタジオキャスターとして仕事をするようになった時に生きたのは確かです。ほんの数十秒の原稿を読む場合でも、その原稿ができるまでの現場の大変さがわかっていると、伝え方も変わりますから。

竹内そうした経験を積んでフリーになられて、現在は報道とは畑違いの情報バラエティ番組『5時に夢中!』(TOKYO MX)でMCを務めていらっしゃいます。

大島2年前から参加させていただいているこの番組もある意味、“現場”です(笑)。台本はありますが、その通りには進まないので!

竹内なによりコメンテーターやゲストの方が個性派揃いですね。

大島長年レギュラー出演なさっているマツコ・デラックスさんをはじめ、北斗晶さん、ヒコロヒーさん、岩井志麻子さん……錚々(そうそう)たる“濃い”方たちが日替わりで登場して、ニュースやトレンドについて鋭い視点からトークを展開します。最初の頃はハラハラし通しで緊張感が半端ではなく、身構えて臨んでいたんです。そんなある日、マツコさんが、「そんな難しい顔してやらなくていいのよ」とアドバイスしてくださって。視聴者のためにもまず状況を楽しんで伝えよう、と考え方を変えました。

竹内番組を仕切ろうと構えず、現場感覚を大切にしたのですね。

大島はい。むしろゲストの方に委ねて、そこから飛び出した言葉をどう汲み取って返すのか、瞬発力の勝負だなと。もちろん、エッジの利き過ぎた発言には「ダメですよ」と注意もします(笑)。竹内さんは、科学ジャーナリストとしてメディアに出る時はどんなことを意識なさっていますか?

竹内科学の専門的なことはなかなか理解してもらえないものなので、できるだけわかりやすくお伝えしたいと思っています。自分が好きな学問ですから、伝える努力はいとわないですね。

大島なるほど。私は報道局時代には視聴者にしっかりと伝えることを第一に考えていました。今は番組ファンの皆さんからたくさんメッセージが届くので心を開いた双方向の関係を大切にしています。

竹内テレビのほかにも、「大島由香里に乾杯!」というユーチューブも開設していて、タイトル通りいつも乾杯なさっているとか。

大島そうなんです(笑)。「ユーチューブをやりませんか」というお話をいただいた時、私に何ができるだろうかを晩酌しながら考えた結果、「これだ!」と。私の幸せ時間である一人の晩酌風景を、そのまま流すスタイルから始めて、ちょうど5年目。話題は子育てや仕事の話が中心ですが、趣味のバイクの企画では、ハーレーダビッドソンを運転したりと、私自身が楽しんでいます。