『風の谷のナウシカ』『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』『FINAL FANTASY X』などは菊之助さんの企画だそうで、配役面でも斬新さが感じられました。

――新作も古典も一緒です。われわれが古典歌舞伎で大事にしていることが、現代の漫画やゲームに通じる普遍性。歌舞伎役者の技芸が活かせる作品かどうか、ということがまず選ぶ基準にありますね。

それと、新作だと普段ご一緒できない名題(なだい)さんや名題下(なだいした)さんとぶつかり合って芝居を作れるというのもいいですね。古典ではまだちょっと難しいかもしれませんが、新作では門が開かれているので、そういう方たちといい芝居を作っていきたい、というのが私の抱負の一つです。

 

丑之助さんへの指導の仕方、そして今後に期待することは?

――私は本当にできが悪かったので、できないところを自分で見つけて、それを克服しようと何回も何回も稽古を繰り返す、という方法だったんですが、今の11歳の丑之助にそれをしてしまうと、型にこだわってしまう。

型は「心あっての型」ということを私は学びましたので、今はできるところ、いいところを見つけてそこを伸ばすようにしています。そこが伸びてくるとできなかったところも自然にできてくると思います。このまま素直に伸びていってくれるといいなと思っております。

 

三代揃った華やかなご襲名。2025年5月6月の晴れ舞台。特に思い入れ深い『二人道成寺』と『連獅子』を、今から楽しみにしています。