健康のため、歩くことを習慣にしている方は多いのではないでしょうか。医学博士で東京都健康長寿医療センター研究所「中之条研究」部門長の青柳幸利さん(「柳」は正しくは「木」偏に「夘」)は、20年以上にわたる研究結果から「ほとんどの病気は歩くだけで予防することができる」と断言します。今回は青柳さんの著書『すべての病気が防げる長生き歩き』から一部を抜粋しお届けします。
睡眠の質を高めるには夕方歩き
歩くのに適した時間帯はありますか? という質問をよく受けます。筆者は4000~6000歩くらいをまとめて歩く場合、夕方をすすめています。
その理由は、夕方歩くとよく眠れるからです。よく眠れないという人は、ぜひ夕方に歩いてみてください。
中之条研究(※)において、0~100歳の町民1645人に、朝晩2回、体温を測定してもらい、その結果を解析したデータがあります。

<『すべての病気が防げる長生き歩き』より>
起床時も就寝時も、体温は加齢にともなって低下することがわかりました。また加齢とともに、睡眠効率が低下する傾向も認められました。
(※)群馬県中之条町に住む65歳以上の全住民5,000人を対象に、25年にわたって実施している身体活動と病気予防の関係についての疫学調査