(イラスト:マツモトヨーコ)

 

本日は、黒井さんにお便りさせていただくという貴重な機会を『婦人公論』編集部からいただきましたので、四つほど、お尋ね申し上げます。黒井さんは「心構えや対策」「元気になる秘訣」はお好きではないと承知しております。黒井さんの日常の姿やお考え、「老いとの向き合い方」について、近況としてお教えいただきたくお願いいたします。

まず、〈一つめ〉の質問です。私自身は前回お目にかかってから、ぐっと体が衰えた気がします。黒井さんは、2年前から何か心身に変化はありますか。

〈二つめ〉。年齢とともにいろいろなことが億劫になり、できないことや不自由なことが増えました。黒井さんは、不自由とどのようにつきあい、どのようにして心の明るさを保っているのでしょう。黒井さん流の老いとの「折り合いのつけ方」について教えていただけますか。黒井さんが楽しいと感じる時間は?

〈三つめ〉は「つながりの問題」。長生きしていると、別れのさびしさに気が沈んだり、お一人様になったり。友人や近所の人や家族やなんらかのつながりを大事にしていますか?

そして、欲張ってもう一つ、〈最後の質問〉です。ご自身の「終い方」について、何か考えていることはありますか。

 

目の前に広がる「老いの時間」が意味するものを、ぜひうかがえたら幸甚でございます。
何卒よろしくお願い申し上げます。

2025年4月
樋口恵子

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