(画像提供『精神科医が教える 休みベタさんの休み方』/イラスト:高旗将雄)
「本当は疲れているのに<いつのまにか、休みたくても休めなくなってしまう>人がいる」そう警告するのは、産業医として活躍する精神科医の尾林誉史先生です。尾林先生は、サラリーマン時代に自身や周囲のメンタル不調に遭遇。そこで見た産業医の現状を憂い、産業医になるために会社を退職、医学部へ進学し精神科医となりました。そんな尾林先生が休めなくなってしまった人へ、やさしく「休み方」を教える著書『精神科医が教える休みベタさんの休み方』より、一部を抜粋して紹介します。今回は「休み上手になれる小さな習慣」について。

きちんと生活しなくても大丈夫

休みベタさんに、まずおすすめしたいのがプチ放棄です。

ほとんどの人は、「きちんとした生活をしなくてはならない」と考えています。栄養バランスのいい食事、規則的な睡眠や適度な運動……。

しかし、しんどいときは、それにがんじがらめにならなくてもいいのです。

僕は医師なので、あんまり安請け合いするようなことを言ってはいけないとは思っています。

とはいえ、たまにきちんとできないぶんには、大丈夫です。大勢に影響なくて、むしろプラスなこともあります。

1か月ご飯を食べないわけにはいかないけど、2〜3日なら栄養バランスが崩れても大丈夫です。睡眠リズムが乱れても大丈夫です。

たとえばうつの患者さんは、ご飯を口に運ぶのもおっくうなときがあります。着替えるのも面倒くさいし、歯も磨けない。全部かったるいんです。

僕はそういうときは、1週間ぐらいやらなくて大丈夫だからいいですよと言います。そうすると、「じゃあできるときにやればいいんですね」と安心して、いい休み方に入っていけるようになります。

無理にちゃんと食べたり、ちゃんと起きたりしなくてもいいと思うと、ちょっと気がラクになるのではないでしょうか。