あきらめなければ、「脳」はしっかり応えてくれる
驚くべきことに、この脳の可塑性という能力は90歳を過ぎても失われません。
若い頃と比べると変化のスピードは遅くなるかもしれませんが、脳は一生を通じて新しいことに応じて変化し続けることができるのです。
また、脳は、90歳になっても新しい神経細胞を生み出す力を持っていますが、神経細胞は再生力が低いのは事実です。
そのため、大人になると新しい神経細胞はつくられないと考えられてきました。しかし、近年の研究で、特定の場所ではつくられることがわかってきたのです。
現在確認できている場所は2つで、ひとつは、記憶や学習をつかさどる海馬、もうひとつは、前頭葉の下のほうにある、匂いを感じる「嗅球」です。
一般的に加齢とともに少なくなりやすいといわれる海馬の細胞が少しでも増えるなら、それだけで記憶力の低下を抑えられることになります。90歳でも増えるというのはうれしいニュースです。
もちろん、先ほども述べたように細胞を生み出す力も、若い頃と同じようなスピードでというわけにはいきません。
しかし、筋肉がそうであるように、90歳になってもあきらめなければ、脳もしっかり応えてくれるのです。
※本稿は『こうして脳は老いていく』(アスコム)の一部を再編集したものです。
『こうして脳は老いていく』(著:遠藤英俊/アスコム)
【90歳になっても脳がよみがえる方法があります】
何歳になっても物忘れがほとんどなくシャキッと冴えているAさんの脳。
かたや、5分前に言われたことも忘れてしまうBさんの脳。
同じ年齢の2人の脳は何が違うのでしょうか、遺伝的な差があるのでしょうか?
いいえ、そうではありません。この2人の脳の違いは、老いた脳を支える「バックアップ」の機能が働いているか、いないかの違いなのです。
予備脳は90歳を過ぎても強くできます。
ぜひ、本書で「人生100歳時代」を充実したものにしてください。





