私が参加したのは故・蜷川幸雄氏が立ち上げた高齢者演劇集団、「さいたまゴールド・シアター」。満55歳以上の素人を集めて、ひとつの劇を作り上げてゆくという企画でした。コンセプトに大いに感動して、応募を決めたのです。

稽古場のあるさいたまスーパーアリーナまで、片道2時間半。一人で通って練習できる体力をつけるという目標に向けて、リハビリを乗り越えることができました。

始まるまではあれこれ心配していましたが、いざ練習が始まるとあっという間の日々。俳優仲間には車いすの人もおり、いろいろな背景を抱えた人生経験の多いメンバーが集まっています。皆で一つのことを目指すなんて、何だか学生時代に戻ったかのよう! 演じている時は、おなかの悩みも頭から消えていました。

一回も欠かさず練習に参加し、いよいよ迎えた本番。客席には夫と息子の姿がありました。舞台上の私の姿は良いクリスマスプレゼントになったでしょうか。

数年前に行った2回目の手術で、四六時中おなかにいた相棒のマメちゃんは取り除かれました。たかが便秘と思って放置していた異変が、こんな一大事になるなんて。絶望も、幸福も味わった出来事でした。