自力でやろうとする意欲が生きる原動力に

【山本】:そんなにも違うものなんですか?15歳差というと、僕なら73歳になりますね。75歳までは朝、1時間半歩いていたので、それを思い出して頑張ります。

【朝田】:認知症の進行についても、日々の運動や、家事をやるかやらないかで大きな差が出てきます。1日でも2日でも長く、他人の世話にならずに自力でやろうとする意欲。それが生きる力、生きていく原動力になります。

すると、脳もまだまだ頑張るぞと、活力を取り戻すんですね。

具体的には、歩くにしても、きちんと姿勢を保って歩くとか、ここからあそこまで歩くとか、自分で目標や目的を持って歩くとよいですね。

そうすることで達成感や充実感が生まれて、明日もまた歩こうという気持ちにつながっていきます。

 

※本稿は『老いを生ききる 軽度認知障害になった僕がいま考えていること』(アスコム)の一部を再編集したものです。

 

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老いを生ききる 軽度認知障害になった僕がいま考えていること』(著:山本學・朝田隆/アスコム)

白内障、緑内障、2度のがん、そして軽度認知障害(MCI)。
88歳、俳優・山本學が、軽度認知障害と診断され、体も心も少しずつ衰えていく現実のなかで、それでも「今日を生ききる」その思いを収めています。

一人暮らしを続けながら、食事のこと、病気のこと、トイレのこと、物忘れとの付き合い方、そして終活について、日常の小さな困りごとをひとつひとつ受け止め「もう最期まで付き合おう!」と飄々と語る、その心の内にあるものは?

本書は、山本學さんが、認知症専門医・朝田隆医師と重ねた対話によって生まれた一冊です。
医師としてのまなざしと、俳優としての観察眼が交わるとき、「老いを生ききる」とはどういうことかが浮かび上がってきます。