トークイベントを行った、楊双子さん(左)と角田光代さん(右)(撮影:岸隆子〈Elenish〉)
台湾で話題の小説『四維街一号に暮らす五人』の日本版刊行にあたり、去る8月23日に台北駐日経済文化代表処台湾文化センター(東京・虎ノ門)で、著者の楊双子さんと作家の角田光代さんのトークイベントが行われました。初顔合わせのお二人でしたが、歴史、ジェンダー、食などさまざまに話題が広がって――(構成:篠藤ゆり 撮影:岸隆子〈Elenish〉)

エンターテインメントとして読者に問いかける

角田 今日は、お会いできることを楽しみにしてきました。

 こちらこそ、お会いできて嬉しいです。

角田 私は毎年、雑誌や新聞など複数の媒体で「今年の3冊」の選書を頼まれることがよくあります。メディアごとに違う作品を紹介するよう心がけているのですが、2023年はどの媒体でも楊さんの小説『台湾漫遊鉄道のふたり』を紹介せずにはいられませんでした。もう、打ちのめされるくらい面白かったので。

 ありがとうございます。

角田 そうしたら、あれよあれよという間に「日本翻訳大賞」や「全米図書賞〈翻訳文学部門〉」を受賞なさったので、「そうでしょ。面白いでしょ」と誇らしい気持ちでいっぱいになりました(笑)。

ですから、今年も楊さんの『四維街(しいがい)一号に暮らす五人』が日本で翻訳出版され、こうしてお話しする機会に恵まれたことが、泣きそうなくらい本当に嬉しいです。

 私は日本の小説をたくさん読んできました。角田さんのような方からお褒めの言葉をいただいて光栄です。