コメへの支出は20年で4割減
2024年のコメの1世帯あたり支出額は2万7198円だった。パンの3万4610円より少なく、麺類の2万1214円を若干上回る水準だ。
数量では2011年にパンがコメを抜いており、2024年の夏以降はコメ不足がメディアを騒がせているが、コメが食卓の主役でなくなって久しい。
日本の国民1人あたりコメ消費量は、1962年度の約118キログラムがピークだった。庶民の食卓にのぼる副菜の数はまだ少なく、コメを炊いて1日に茶わん5杯近くを食べていた。生活が豊かになるにつれてコメ消費量は減り、1970年には減反政策が始まった。2024年度の消費量は約50キログラムで1日茶わん2杯あまりと、冷夏による凶作でタイ米などを緊急輸入した1993年当時を3割近く下回る水準だ。
統計上のコメ消費の減少は、弁当やおにぎり、寿司などの惣菜の増加が大きく影響している。「パックご飯」など簡単に食べられる米飯加工品へのシフトもある。2024年の家庭での精米購入量は過去20年で最低となった一方で、パックご飯の生産量は前年比約2%増の25万5000トンと過去最高を更新した。
