私たちの食を支えるスーパーマーケットについて、流通科学大学商学部経営学科教授・白鳥和生先生は「社会を映し出す鏡のような側面もある」とし、「スーパーマーケットの売り場は社会的・経済的な課題を映し出している」と語ります。そこで今回は、白鳥先生の著書『なぜ野菜売り場は入り口にあるのか スーパーマーケットで経済がわかる』から一部を抜粋し、再編集してお届けします。
日本の5人に1人が「後期高齢者」に
戦後の第1次ベビーブームで生まれた「団塊の世代」が75歳以上になった2025年。
日本の5人に1人が「後期高齢者」となり、医療や介護などに関わる費用の膨張は避けられない。
65歳以上の「前期高齢者」も加えれば、およそ3人に1人が社会保障制度上の「支えられる側」にカウントされる時代が到来する。
一方、現役世代の生産年齢人口(15〜64歳)は減少しており、2025年には1.9人で1人の高齢者を支える計算になる。