銀座6丁目店外観(写真提供:『九十一歳、銀座きもの語り』/KADOKAWA)

街から変化をもらって

2丁目の並木通りから6丁目に移ってから、店には大きな変化がありました。お客様がずいぶんと若返ったのです。一世代、二世代若いお客様も増えたでしょうか。とても思いがけないことでした。

並木通り時代のお客様は、それこそ先代からのお客様という方もいらっしゃり、何時間もお喋りして帰られるような常連の方がほとんどでした。

それが6丁目に移ったことで若いお客様がいらっしゃるようになったのは、一つには、やはり、お食事など何かしらの用事で通りかかった時に目に留めて頂きやすい立地だったこと。

もう一つは、ちょうどこの頃、世の中のきものの楽しみ方に少しずつ変化が起こり、フォーマルの場面よりも街でおしゃれ着を楽しむ方が増えたこと。そんな理由もあったと思います。そのようなお客様に私どものきものが目に留まり、ご来店頂けたようです。