休みを取ると職員間の空気が重くなる

休暇取得も大きな壁です。慢性的人手不足の現場では、有休を申請するたびに「代わりは誰?」と尋ねられることもあります。結局、リーダーやベテランが自身の休日を削って穴を埋めるため、若手は休暇取得を遠慮する悪循環に陥ります。

休みを取ると職員間の空気が重くなる──この心理的コストが、数字に表れない“人手不足感”を深めています。

(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

さらに、「ひとりあたりが担う業務種類の多さ」はこの“人手不足感”に大きくつながります。時間単位あたりの忙しさは、大手飲食チェーンの店と比べて控えめです。しかし、より種類が多く、「何から手をつけようか」という思考コストが忙しさを知覚させるものにつながっています。

そして、「多職種連携」という理想と現実の隔たりも見逃せません。

リハ職や看護師が配置されていても、シフトが合わず情報共有が断片化することがあります。結局、介護職が看護の連絡調整やリハビリの補助を担い、本来のケア以外の雑務が膨張します。人員票には名前が並んでいても、同じ時間帯にフロアで動ける“実働人数”は想定より低いのが常です。

夜勤体制も人手不足感を増幅させる要因です。2ユニット60人を夜勤2人で見るシフトは基準上問題ありませんが、片方がトイレ対応中に転倒コールが鳴れば瞬時にパンクします。

夜勤者は「誰かが倒れたら一人で対応できない」という不安を常に抱え、心身の疲労を蓄積します。