「クリニック」の良いところ・悪いところ
乳がんなど一部のがんでは、施設によっては手術対応も可能ですので、クリニック(開業医)も選択肢に入ります。乳がんでは、手術はクリニックの乳腺専門医が近隣の病院のベッドを借りて行い、その後のフォローは自施設で行う、というようなケースもあります。また、血液のがんでは、ここ数年、血液疾患専門のクリニックがポツポツと出来始めており、血液がんの検査・診断や抗がん剤での治療を行っています。
クリニックの医師は、コミュニケーションは一般的に丁寧な印象がありますし、外来での診療時間も、大病院と比べたらしっかり取ってもらえます。また、待ち時間は比較的短く、職場や自宅の近くにあれば、働きながらがん治療をするような場合には向いていると思います。
一方、手術にしても薬物治療にしても、複雑な治療や、厳重な副作用管理を要する場合には向きません。特に、進行・再発した乳がんのケースには、あまり向かないでしょう。
また、クリニックの中には、科学的根拠に乏しい免疫療法や幹細胞療法などの治療を、自由診療として行っている施設もありますので、しっかりとした吟味が必要です。
こうした怪しげなクリニックは、「あきらめないがん治療」「身体に優しいがん治療」「まずはお気軽にご相談ください」などといった“甘い言葉”を売り文句にしていることが多いので、ネット上の広告表示でそうした文言を目にしたら、要注意です。少なくとも、「あなたのがんの専門医」がいなければ、やめておいた方が良いでしょう。
※本稿は、『後悔しないがんの病院と名医の探し方~「有名病院」「ランキング」に頼らず、最善の選択を』(大和書房)の一部を再編集したものです。
『後悔しないがんの病院と名医の探し方~「有名病院」「ランキング」に頼らず、最善の選択を』(著:鈴木英介/大和書房)
どうしたら「本当に信頼できる主治医」にたどり着けるのか?
読者自身が身近な地域で「納得できる病院・医師選び」「納得できる治療選択」をするための、“考え方”と“情報の見方”を伝えます。
業界のインサイダーだからこそ持てる、医師や病院に関する専門的な知見と、現場のリアルな声が、本書に込められています。




