高齢者のひとり暮らしは、健康管理やお金のことなど数多くの不安があります。しかし、これまで70年近くにわたってひとり暮らしを続けてきた88歳のイラストレーター・田村セツコさんは、「ひとりで生きることは、寂しさや孤独や、認知症の不安を抱きしめながら、それでも楽しんで暮らす冒険です」と前向きに語っています。そこで今回は、田村さんの著書『最後までひとり暮らし』から抜粋し、再編集してお届けします。
ひとり暮らしは、人生でいちばん自由な贅沢です
ある雑誌で、「ひとり暮らし特集」というのをやったことがあるそうです。
インタビュアーの女性が、作家さん、アーティストさん、漫画家さん、会社員の方まで、いろんなひとり暮らしの人の家を訪ねて回って、「ひとり暮らしってどうですか?」って、同じ質問をしていったんですって。
するとね、みなさん、口をそろえたみたいに同じことをいったみたいなの。
「ひとりは楽しいですよ」「気楽でいいですよ」「ひとりって最高」って。
「楽しい、楽しい」という答えばかりだったそうよ。
これだけを聞いていたら、「ああ、世の中のひとり暮らしはバラ色なのね」と思ってしまいそうよね。
それでね、たまたまわたしのところにも、そのインタビュアーさんがいらしたんですよ。
みなさんと同じように、「田村さんにとって、ひとり暮らしってどうですか?」と聞かれたの。
そのとき、わたしがなんて答えたかというと―――