忠長の幽霊が出るという噂
「芭蕉」の謡のせいだろうか、忠長は家康の孫で駿河大納言という高い身分でありながら、甲州へ送られ、28歳の時に高崎で切腹となった。
そして、城内で「芭蕉」を口ずさむと、腹から血を滴らせた忠長の幽霊が出るという噂が立った。
以降、幕末まで、駿府城内で「芭蕉」の謡は、固く禁じられたそうだ。
※本稿は、『名城怪談』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものです。
『名城怪談』(著:田辺青蛙、監修:北川央、イラスト:うめだまりこ/エクスナレッジ)
本書は日本全国の名城にまつわる怪談を集めた一冊です。
田辺青蛙氏が収集した怪談の数々と、北川央氏による緻密な歴史的背景の監修が融合し、城の歴史と怪談が織りなす魅力的な世界を描き出します。
名城怪談
作者:田辺青蛙 監修:北川央 イラスト:うめだまりこ
出版社:エクスナレッジ
発売日:2026/3/25
出典=『名城怪談』(著:田辺青蛙、監修:北川央、イラスト:うめだまりこ/エクスナレッジ)
田辺青蛙
小説家
『生き屏風』で日本ホラー小説大賞短編賞を受賞。著書に「大阪怪談」シリーズ、『関西怪談』『北海道怪談』『紀州怪談』『魂追い』『皐月鬼』『あめだま 青蛙モノノケ語り』『モル テンおいしいです^q^』『人魚の石』など。共著に「京都怪談」「てのひら怪談」「恐怖通信 鳥肌ゾーン」各シリーズ、『怪しき我が家』『読書で離婚を考えた』など。主宰イベント 「蛙・怪談ガタリ」はじめ、怪談イベントにも出演多数。
北川央
九度山・真田ミュージアム名誉館長、全国城郭管理者協議会元会長
1961年大阪府生まれ。神戸大学大学院文学研究科修了。専門は織豊期政治史、近世庶民信仰史、大阪地域史。1987年に大阪城天守閣学芸員となり、主任学芸員、研究主幹などを経て、2014年に大阪城天守閣館長。2022年に定年退職し、現在は九度山・真田ミュージアム名誉館長。全国城郭管理者協議会元会長。著書『大坂城』(新潮新書)、『大坂城をめぐる人々』(創元社)、『豊臣家の人びと』(三弥井書店)、『なにわの事もゆめの又ゆめ』 (関西大学出版部)、『大坂城と大坂の陣』(新風書房)など。