交際期間が長くなると

交際期間がまだ短い間は、「前部帯状回」の活動が強まることも確認されています。前部帯状回は、感情の形成と処理、学習と記憶に関わる部位で、「相手を気遣う」ときに活性化します。

しかし、このようなパートナーに対する「あばたもえくぼ」状態や、気遣いできる状態は、交際期間が長くなると消えてしまいます。1〜2割ほどは残る、とも言われていますが。

『脳を乗っ取る感情(アイツ)からあなたを守る方法』(著:篠原菊紀/日経BP)

パートナーとの関わりが長くなると、互いに気遣うことも減り、相手の短所をズケズケと指摘するようになったりしますよね。一方、恋で燃え上がってもいざ結婚となると、「マリッジブルー」が起こることも知られています。いきなり冷静になり、相手とこの先長く過ごしていくことに疑問を感じ始めるのです。

そもそも、大きなライフイベントは大きいストレスとなるのです。結婚もしかり、昇進なども、周囲からは喜ばしい状況と思われても本人にとっては多大なストレスです。

社会心理的なストレス要因を尺度化した有名な「ホームズの社会的再適応評価尺度(*1)」においても、「結婚」は、親族の死、個人のケガや病気の次に大きいストレス指標となっています。

結婚に対する恐れや不安も出てくるでしょうし、付き合ううちに相手が思ったような人間ではなかったということが見えてくることもあるでしょう。マリッジブルーが起きないほうが不自然では、と思われるくらいです。だからこそマリッジブルーが起きないうちに、素早く結婚しちゃおうというワザを人間は取り入れてきたのでしょう。

*1 米国のトーマス・H・ホームズとリチャード・H・ラーエが開発したストレス測定法の 1つ。ストレスに対して再適応に要するエネルギー量を評価、ストレスの程度を点数で示す。