標準治療は私の価値観に合ってる

がんを公表してからは真偽不明なコメントが、あちこちから飛んでくる。

「怒ってばかりだから、がんになった」

「がんになったのは、日本食以外も食べているから」

こうした情報には惑わされない。でも、自分がこれまでやってきたことに「本当にいいんだろうか?」と迷いが出る瞬間がないわけじゃない。

昔から緊張すると体が凝ったり、頭がパンパンに硬くなったりするので、それをほぐすためにリンパマッサージに通っていた。でも、待てよ……。私の場合、リンパ節にもがんが転移していたはず。「リンパを揉んだら、がんが飛んで、進行しちゃうのかな」。素人っぽい考えだけど、そんな不安が頭の中をよぎった。

少しでも気になったら、先生に聞く。

「先生、リンパをマッサージして、老廃物を流すと体にいいって言われてるじゃないですか。でも、がんになった場合、触ったらマズい気がするんですけど」

「アンナさんの場合は、術前に何かをしてはいけないということはありません。でも、自分が受けて『違うな』と思ったら、やめてください。『いいな』と思ったら、やればいいんです」

すごく明快だった。

術後は様々なルールや、やってはいけないことも出てくるけど、術前であれば食事内容も日ごろの習慣も、すべて「違う」「いい」といった自分の基準で選んでいい。

やっぱり標準治療は私の価値観に合ってるなと思った。