全部が毒リンゴ
これが免疫療法や民間療法となれば話は別だ。
「あれをやっちゃダメ」「**を食べてはいけない」などとやかく言われるはず。
私はきっと頭を抱えていただろう。
がん公表後、私のもとにはうさん臭い提案がたくさんきたけど、そのほとんどが免疫療法や民間療法のクリニックからだった。
誘い文句もたいていが同じ。
「本当は1クール400万円かかるけど、タダにするから。アンナちゃんを助けたいんだよね」
簡単に400万円もの大金がタダになる時点で怪しい。「アンナちゃんを助けたい」という聞こえのいい言葉の裏には、「梅宮アンナは、クリニックの宣伝になる」という下心も透けて見えた。
免疫療法だけじゃない。宗教や占い、健康食品など、怪しい誘いは毎日のようにきた。そのたびに「いりません。やめてください」とキッパリ断ることにしていた。あるときは、家の前まで宗教の勧誘がきていて、さすがに「帰ってください」と追い返した。
エステやアンチエイジングの会社も「抗がん剤の代わりになるよ」とかなんとか言って、無責任にサプリを勧めてくる。心が弱っていると、「ああ、がんに効くならやってみよう」と思ってしまうはずだ。
世間にはいかに「がんに効きます商法」が溢れていることか。
そんなの全部、毒リンゴだ。私は絶対に引っかからない。
「話を聞くだけでもいいから」なんて言うけど、一度でも耳を傾ければ、相手の思うツボ。私はそうした誘いに乗るのは、100%嫌だった。