できるだけ、離れなさい
介護をやりすぎない
認知症の人と一緒に過ごされている方、主に介護をされている方は、本当に大変な日々を過ごされています。
ぜひ、心に留めておいてほしいのは、しんどくなる前に、「離れなさい」ということです。
介護をやりすぎない。1回、離れてみるのです。
不安の強い家族は、症状が進行した様子がうかがえると、本人に自身の不安をぶつけてしまいます。「大丈夫?」「薬は飲んだ?」「昨日は眠れたか?」「明日の受診を忘れないで」と頻繁に問いかけてしまいます。我を失ってトレーニングをさせようとする家族もいます。
それらの反応は、本人に対して「悪くなっている」とのメッセージを送ることになり、治療的にもマイナスです。
いったん不安に巻き込まれた家族は、本人から物理的にも心理的にも離れることができず、マイナスの影響を与え続けてしまいます。
診療の現場では、家族に「とにかく本人から離れていなさい」と繰り返し、本人には、「家族はあなたにいろいろと言ってしまうけど、悪気があってのことではない」と繰り返し伝えます。
「もう少しすれば必ず今の状態に慣れて、互いに楽になる」とも。
がんじがらめな想いに囚われてしまったら、とにかく離れてください。
そうしたら、徐々に優しい気持ちが戻ってきます。
とにかく認知症の人から、いったん、離れなさい。
不安をぶつけて注意するのは逆効果です。
※本稿は、『認知症になって幸せな人、不幸せな人』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
『認知症になって幸せな人、不幸せな人』(著:繁田雅弘/PHP研究所)
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