ショックなんてもんじゃなかった

意味がまったくわからなかった。確かに、舞台の初日か千秋楽に、「ここにサインして」と言われて、サインをしたことがあった。緊張してるときや疲れてるときに来て内容もよくわからないまま、「ササッとでいいから」とかね。あれはそういうことだったの? って。

自分に対しても、情けないやら腹立たしいやらで、仕方なかった。あれだけ信じていた人に裏切られて、もうショックなんてもんじゃなかった。

『ピン!として逝くのもいいじゃない ピン子78歳、最後に残したい言葉』(著:泉ピン子/徳間書店)

どうにかならないのかと銀行に行ったら、担当のおじさんに「かわいそうにね、やられちゃったね」と言われて、「ピン子ちゃんは来たことないもんね、借りに」と言われた。ああ、やっぱりなと思ったわ。

結局裁判になって、裁判官はやっぱり和解させたいのよ。だけど私は悔しくて、和解なんて言われて思わず弁護士さんの前で号泣した。和解したけど、結局借金は2億か3億か残ってたんだもの。