しょっちゅう裏切られてきた
世間を騒がせたから、ママには「『鬼(『渡る世間は鬼ばかり』)』は辞めます」と伝えた。
するとママが「あんたが悪いことをしたわけじゃないんだから、降りることはない」と言ってくれて続投することに。そこで初めて『渡る世間は鬼ばかり』の自分のギャラをみてびっくりしたの。「こんなに高かったの? そんな私が、事務所に借金なんてあるわけないだろ!」って思った。
返済のお金が引き落とされるたびに「あんた、いい勉強代だと思いなさい」って自分に言い聞かせたわ。あれが一番大きな裏切りだった。
よく考えたら、付き人やマネージャーが代わるたびに物がなくなるなんて時期もあった。
とにかくしょっちゅう裏切られてきてんのよ。もう終わったことだから、いちいちあれこれ言わないけどさ。
桁は違うけど、正直言って、通訳にお金をだまし取られていた大谷翔平くんの気持ちがちょっと分かるのよね。だって、お金の管理までしてたら私、あんなに主演を長く張れる演技力なんか身につけることできなかったわよ。
やられちゃったもんはしょうがない。どうせもう元には戻らないんだから、じゃあ前に進むにはどうしたらいいか? って考えるしかないよね。
※本稿は、『ピン!として逝くのもいいじゃない ピン子78歳、最後に残したい言葉』(徳間書店)の一部を再編集したものです。
『ピン!として逝くのもいいじゃない ピン子78歳、最後に残したい言葉』(著:泉ピン子/徳間書店)
「本当に自分の人生をまとめて残すのは、これが最後。全部言うわよ」
78歳・泉ピン子の、笑って泣ける自伝エッセイ集。




