病気への無理解が症状を悪化させる

現在、中学生のAさんは、小学生のときはまじめで成績優秀なお子さんでした。進学した中学校では、同じ小学校出身の子が少なかったため、新しい人間関係や、クラスの雰囲気にうまくなじむことができませんでした。

Aさんは、身長156cm、体重50kg。成長期の女子であれば太り過ぎでも痩せすぎでもない普通体型です。それなのに、夏休み前にクラスの男子に「顔が丸いな」と言われたことをきっかけに、Aさんは痩せてきれいになりたくてダイエットを始めました。おやつをやめて、夕食も減らしました。始めは空腹感で辛かったものの、自分で決めたことをコツコツ取り組むのが得意なAさんは、次第に我慢にも慣れて、毎日体重を計るようになりました。

『わが子が摂食障害になったら読む本』(著:大橋とも 監修:松本功/ビジネス社)

4kg減って40kg台になると、「Aさん、痩せたね!」「どうやって痩せたの?」「私にも教えて!」と今まで話す機会のなかったクラスメイトからも声をかけられるようになりました。

痩せることに手ごたえを感じたAさんは、ますます食事制限をするようになりました。太りやすい白米と揚げ物は食べない。芋やかぼちゃも禁止。次第に、砂糖やみりんの量まで計算するように。Aさんは自分が納得できる調理法をお母さんにも強制するようになりました。