おかずは1種類ずつ小皿に盛り付けて。食べたものを把握しやすく、食べ終えた時の達成感を得やすいという(写真提供:西村さん)

「介護をやめる」という選択肢もある

自尊心が高く気丈で、最後まで私に「ありがとう」とは言ってくれなかった母。でも私がいない時に、「あなたの姿が見えないと、必死に目で探していた」とお見舞いに来た人から聞いた時は、不覚にも泣いてしまいました。

母が亡くなって2年半。やれることはすべてやり切ったと思えるので、悔いはありません。ただ、誰もが必ずしも「最後まで自分で介護するのが正解」とは思っていないのです。

人ひとりの人生のゴールまで伴走するのは、本当に大変なこと。ストレスや疲れが積み重なり、相手を殺したい、自分も死にたい、と追いつめられるぐらいなら、手を放したほうがずっといい。「介護をやめる」という選択肢があると、常に心に留めてほしいと思います。

そのためにも、そもそもなぜ「自分で介護をしたい」と思ったのかを、まずは見つめることが大切です。

私の場合は自分が専門家として携わってきたことが、家族介護でどこまで通用するか知りたかった。家で看取りたいというのも、母のためというより自分のためでした。

最終的には自分がどうしたいか。それは相手に問うことではなく、自分に問うことです。やりたいと思って始めたけれど、限界が来たと思ったらやめればいい。あるいは最初から割り切って施設に入居してもらい、頻繁に会いに行くのでもいいのです。

いいとこ取りで構いません。介護する相手のためではなく、する側の人のための選択をしてほしいと思います。あなたの人生はあなたのものなのですから。

 

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