(イラスト:遠藤舞)
ジェーン・スーさんが『婦人公論』に連載中のエッセイを配信。今回は「黄泉がえり」。女友達6人と韓国に美容の旅へと向かったスーさん。美容施術後の友人の顔を見て、予想だにしなかった感情が湧いてきたそうで――。

2泊3日の韓国旅行へ

女友達と連れ立って、2泊3日の韓国旅行へ行ってきた。20代後半から50代前半まで、総勢6人。奇跡的に全員の予定が合う日が見つかって、エイヤッと飛行機に飛び乗った。

大所帯で女友達と旅に出るのは、かなり久しぶりのこと。おそらく20年前にハワイへ行って以来だ。友人の結婚式に参列する旅だった。その時の新婦も、今回の旅に参加している。18歳からの付き合いだから、お互いのライフステージが変わるたび、顔にシミやシワがひとつずつ増えていくのを見てきた仲だ。

今回のメインテーマは美容。最先端の美容医療で全員が顔面になんらかの施術をし、あとは韓国料理に舌鼓を打つ。欲望に任せ楽しいことしかやらないと決めていた。だって、私たちはいつも頑張っているから。

出発直前まで仕事メールの返信をする者もいれば、搭乗開始ギリギリに現れた者もいた。みんなとにかく忙しい。心と体にぴったりとくっついた日常をベリベリと引き剥がし、非日常に飛び込むにはパワーがいる。それでもなんとか金浦(キンポ)国際空港に到着し、私は初韓国の友達を連れ東大門(トンデムン)へ深夜のショッピングに出かけた。ようやく非日常の始まりである。

翌朝は7時半から人気ベーグル店へ。6人いたので、さまざまな種類を少しずつ食べられた。クリームチーズとニラがたっぷり入ったもの、イチジク入り、シナモン味、薄切りのハムが挟まれたものなど。晴天で湿気もなく、テラス席で写真を撮り合いながら、迷惑にならない程度にはしゃいだ。自制心を利かせるさまを俯瞰で眺め、大人になったことを再確認する。20代だったらこうはいかない。