黄泉がえり
朝食後は韓国で再び流行り始めたプリクラを体験し、コスメショップで散財。午前10時半、満を持して美容クリニックへ向かう。やりたいことがそれぞれ異なるので、3つのグループに分かれた。夕方に再会する頃には、みんなどんな顔になっているだろう。
私は件の18歳からの女友達と狎鴎亭(アックジョン)にあるクリニックへ行った。カウンセリングを受けながら、「それ、痛くないですか?」ばかり尋ねる姿は、少女のようで可愛らしかった。
施術後、彼女の顔を見て、予想だにしなかった感情が湧いてきた。グンと若返った顔は38歳くらいに見え、まるで過去から戻ってきたよう。懐かしい顔にえも言われぬ郷愁を覚え、胸が張り裂けそうになった。
美容施術で老けの要素が取り払われただけなのだが、「あんた! どうしてたの?」と、行方不明だった人に再会したような声を掛けそうになったほど。「死んでないのに黄泉がえり」というワードが頭に浮かぶ。『黄泉がえり』は、亡き者が次々と生き返る梶尾真治のSF小説で映画化もされた。
私が彼女の顔にノスタルジーを感じたのは、彼女の過去をずっと見てきたからだ。つまり、彼女も私の顔をずっと見てきたということ。あれからお互いいろいろあったよねえ、と肩を抱きたくなった。
顔面に刻まれたシワやシミは医療で消せても、脳に刻まれた記憶は消せない。38歳からの十数年で彼女は2児の母になり、私は何度かの転職を経てこうなった。良いことも、悪いこともあった。
病める時も健やかなる時も、私には一緒にいてくれる友人がいたのだ。そう確信できたことが、今回の旅の大きな収穫である。
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きのうまでの「普通」を急にアップデートするのは難しいし、ポンコツなわれわれはどうしたって失敗もする。変わらぬ偏見にゲンナリすることも、無力感にさいなまれる夜もあるけれど、「まあ、いいか」と思える強さも身についた。明日の私に勇気をくれる、ごほうびエッセイ。






