鍵になるのは「素数」

実は2024年は、周期ゼミの歴史の中でも特別な年でした。北米で、13年周期のセミと、17年周期のセミという二つの「素数ゼミ」が、221年ぶりに同時に大量発生したのです。

前回この現象が起きたのは1803年。ナポレオンが皇帝になる直前、日本では江戸時代後期という、まさに別世界の出来事でした。では、なぜ13年や17年なのでしょうか。

『知って得する、体内時計のはなし』(著:中村孝博/中央公論新社)

ここで鍵になるのが「素数」です。素数とは、1と自分自身でしか割り切れない数のことです。この性質が、周期ゼミの生存戦略と深く関係していると考えられています。もし周期が12年や16年のように割り切れる数であれば、捕食者の繁殖周期と重なりやすくなります。

しかし13年や17年であれば、捕食者の周期と一致する機会は極端に少なくなります。周期ゼミは、時間そのものを盾として進化してきたのです。