静的ストレッチで筋肉を伸ばす
静的ストレッチで筋肉の柔軟性が高まる仕組みを、もう少し詳しく解説しましょう。
筋肉の末端である腱には、ゴルジ腱器官という小さなセンサーが埋め込まれています。この腱器官は筋肉の伸び具合をモニターしています。
静的ストレッチで筋肉を伸ばし続けると、ゴルジ腱器官から「筋肉が伸びているぞ!」という情報が、神経(Ib感覚ニューロン)を介して脊髄へ即座に伝えられます。すると、伸びている筋肉を「ゆるめろ!」という指令が脊髄から下されます。筋肉が伸びすぎてダメージを負わないようにするためです。同時に、伸びている筋肉と反対の働きをする筋肉(拮抗筋)を縮める指令が脊髄から筋肉へと伝わります。拮抗筋が縮むと、筋肉はさらに伸びやすくなるからです。
静的ストレッチでは、「伸張反射」を起こさないことがポイントです。伸張反射とは、筋肉が急に伸ばされると、反射的に縮もうとする反応です。
腱にゴルジ腱器官が配置されているように、筋肉には筋紡錘というセンサーが埋め込まれており、筋肉の伸び具合を感知しています。筋肉が急に伸ばされると、筋紡錘から神経(Ia運動ニューロン)を介して脊髄に情報が伝わります。そして伸びている筋肉を縮め、その拮抗筋をゆるめるような指令が脊髄から伝わります。これが伸張反射。筋肉が前触れなく突如として伸ばされて、ダメージを負わないようにするのが狙いです。
伸張反射を避けるために、静的ストレッチでは反動を使わず、ゆっくり静かに筋肉を伸ばし続けます。1部位20秒ほど続けると、ゴルジ腱器官を介したメカニズムが作動して、柔軟性の回復が起こります。
その際、痛みだけを感じるところまで無理に伸ばさないでください。痛みを感じると、筋肉は緊張してゆるみにくくなるからです。そして静かに伸ばしている間、呼吸を止めないこと。息を吐きながら行うと、筋肉は伸びやすくなります。
